院長挨拶
在宅・よろず相談クリニックは2014年8月1日に設立されましたので、9年8か月経過しています。
本年もよろしくお願いいたします。
朱喜の偶成に
少年易老学成難 一寸光陰不可軽。未覚池塘春草夢、階前悟葉己秋声
とありますが、晩冬近い年齢でのクリニック経営はボランティア的診療になります。
ゲーテの詩の「急がずに休まずに」を内村鑑三訳で、
１．急がずに休まずに 是（こ）れぞ汝の胸飾り、
２．急がずに心して 心の駒の手綱把（と）れ、
３．休まずによく励め 過ぎゆく年の足速し
４．急がずに休まずに 静かに天の命を待て
と訳されています。
2015年9月18日に妻恭子の父 谷口恭彦が逝去し帰天しましたが、泰然とした人柄で、消防署長退職後、地域奉仕を余生として、連合自治会長、コミュニティイセンター創設、詩吟の会の創設・指導をしながら、キリスト教信仰に入り、最期に看取らせていただいた際にみせてくれた「ありがとう、ありがとう」での臨終は、まさにヘルマンホイヴェルス「人生の秋に」にある“最上のわざ”・・・祈りの手を示してくれました。
人生はため息のように消えうせます。人生の年月は七十年程のものです。
健やかな人が八十年を数えても 得るところは労苦と災いにすぎません。・・・ 生涯の日を正しく数えるように教えてください。知恵ある心を得ることができますように。と詩篇では歌っています。
在宅・よろず相談クリニックが、訪れるおひとりおひとりに生きる希望と喜びを少しでも感じてもらえるように、御手の働きのなかに加えてくださいますように。
在宅・よろず相談クリニック 院長 俵 哲
当院の理念
病院の理念は「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」です。
医学が発展するとともに医療は専門分化して効率よく行われるようになりました。反面、複雑な症状ほど、患者さんのお話をよく聴いて、総合的判断を必要とするようになります。
専門家は画像や血液の検査で異常がなければ、“自分の専門ではない”、“精神科あるいは心療内科に行かれたら”、“お年のせいです。つきあっていくしかないですね”と言い、患者は帰されてしまいます。
在宅・よろず相談クリニックは、その人個人の価値観、人生観を大切にします。すなわち自由、尊厳、価値、信仰を尊重し、その人らしく最後まで生きるお手伝いします。
当院の基本方針
- 医療上の様々な問題の解決を目指して、ご相談に応じます。
- 地域における、多職種協働の全人的在宅医療を目指します。
- 在宅孤立死ゼロを目指します。
- 個人の自由、尊厳、価値、信仰を尊重し、その人らしく最後まで生きるお手伝いをします。
- 個人健康情報記録の自己管理と共有を推進します。